日本生活協同組合連合会医療部会は「医療生協の患者の権利章典」「医療生協の介護」を策定し、事業と運動の質を高めてきました。これらの活動を引きつぎ、2010年日本医療福祉生活協同組合連合会(医療福祉生協連)が発足しました。
医療福祉生協は、いのちとくらしを守り健康をはぐくむ事業と運動を大きく広げるため、これらの成果を踏まえ、医療福祉生協連の設立趣意書の内容を基本にして「医療福祉生協のいのちの章典」(いのちの章典)を策定します。
「いのちの章典」は、憲法をもとに人権が尊重される社会と社会保障の充実をめざす、私たちの権利と責任を明らかにしたものです。
医療福祉生協は、地域のひとびとが、それぞれの健康と生活にかかわる問題を持ちよる消費生活協同組合法にもとづく自治的組織です。医療機関・介護事業所などを所有・運営し、ともに組合員として生協を担う住民と職員の協同によって、問題を解決するための事業と運動を行います。
私たちは、近代市民社会の大原則であり、日本国憲法の基本理念である主権在民の立場にたちます。私たちは、憲法13条の幸福追求権や9条の平和主義、25条の生存権を実現するため、主権在民の健康分野の具体化である健康の自己主権を確立します。
私たちが大切にする健康観は「昨日よりも今日が、さらに明日がより一層意欲的に生きられる。そうしたことを可能にするため、自分を変え、社会に働きかける。みんなが協力しあって楽しく明るく積極的に生きる」というものです。
私たちは、この価値と健康観にもとづき、医療・介護・健康づくりの事業と運動をすすめ、地域まるごと健康づくりをめざします。
ともに組合員として生協を担う私たち地域住民と職員には、いのちとくらしを守り健康をはぐくむために、以下の権利と責任があります。
2013年6月7日
日本医療福祉生活協同組合連合会
第3回通常総会にて確定
健康をつくる。平和をつくる。いのち輝く社会をつくる。
そのために
地域まるごと健康づくりをすすめます。
地域住民と医療や福祉の専門家が協同します。
多くのひとびとの参加で、地域に協同の“わ”をひろげます。
私たち医療福祉生協は、日本医療福祉生活協同組合連合会の設立趣意書をもとに、憲法25条(生存権)や9条(平和主義)、13条(幸福追求権)が活きる社会の実現をめざします。
私たち民医連は、無差別・平等の医療と福祉の実現をめざす組織です。
戦後の荒廃のなか、無産者診療所の歴史を受けつぎ、医療従事者と労働者・農民・地域の人びとが、各地で「民主診療所」をつくりました。そして1953年、「働くひとびとの医療機関」として全日本民主医療機関連合会を結成しました。
私たちは、いのちの平等を掲げ、地域住民の切実な要求に応える医療を実践し、介護と福祉の事業へ活動を広げてきました。患者の立場に立った親切でよい医療をすすめ、生活と労働から疾病をとらえ、いのちや健康にかかわるその時代の社会問題にとりくんできました。また、共同組織と共に生活向上と社会保障の拡充、平和と民主主義の実現のために運動してきました。
私たちは、営利を目的とせず、事業所の集団所有を確立し、民主的運営をめざして活動しています。
日本国憲法は、国民主権と平和的生存権を謳い、基本的人権を人類の多年にわたる自由獲得の成果であり永久に侵すことのできない普遍的権利と定めています。
私たちは、この憲法の理念を高く掲げ、これまでの歩みをさらに発展させ、すべての人が等しく尊重される社会をめざします。
私たちは、この目標を実現するために、多くの個人・団体と手を結び、国際交流をはかり、共同組織と力をあわせて活動します。
2010年2月27日
全日本民主医療機関連合会 第39回定期総会